ベランダ床のFRP防水工事

query_builder 2023/10/23
下地処理メンテナンス
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10年以上前に外壁の塗装工事をご依頼いただいたお客様から、ベランダから雨漏れが発生しており、ベランダ下の天井に染みが発生しているので見てほしい、とご連絡いただき現調に伺いました。


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ベランダには防水層の上に石材タイルが敷かれており、上から見た限りでは判断がつかないので、染みが発生している箇所の真上辺りを数枚剥がしてみたところ、コンパネの上にステンレスの板で防水層を作った作りになっていました。

これ以上は剥がしてみないと下地の状況はわからないので、費用については下地の状況により変動してしまいます、とお伝えして工事着工となりました。

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長年の浸水があったようで、ステンレス板の下のコンパネ材は浸水の影響で腐食している箇所があります。

しかし、全体的に腐食している状況ではなかったので、悪い箇所のコンパネだけ新たに貼り直して、その上にFRP防水工法で進める事になりました。


FRPとは軽量で耐久性・耐候性に優れた繊維強化プラスチックの略称です。他の防水材と比べて軽量なので、木造や古い築年数の住宅でも使用でき、軽量なので住宅への負担も軽減できます。


摩耗性にも優れているので、ベランダなど歩行頻度の高い箇所の防水として、多くの建物で選ばれている防水工法となっています。しかし、非常に高い強度がある反面、地震などの揺れに対する伸縮性には弱いため、クラックなどひび割れが発生する可能性があり、広い面積の防水には不向きになります。なので一般的に広い面積がある屋上など、あまり人が歩かないところはウレタン防水、ベランダなど少ない面積で歩行が多いところはFRP防水が向いています。


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傷んだ箇所を撤去後に新しいコンパネを貼り、FRP用のプライマー(下塗り材)を塗布して、乾燥後に全ての隙間をコーキング材で埋める作業をします。コーキングが完全に硬化しないと次の作業に移れないので、この日の作業はここまで!


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防水用ポリエステル樹脂と防水用ガラスマットで防水層を作ります。樹脂を塗布しその上にガラスマットを敷き、再度その上からポリエステル樹脂でガラス繊維を溶かして、気泡などの膨らみが出ない様に脱泡ローラーという専用のローラーで下地の高さを均一になるように仕上げていきます。


FRP防水にはガラスマットの層を一層でつくる1プライ工法と、さらに強度を高める為に、防水層を二重にする2プライ工法があります。今回の工事では2プライ工法にしました。


防水層はとても大切な役割があるので、基本的には2プライ工法をお勧めします。FRP工法は乾燥が非常に早いので、少ない範囲のベランダ床であれば、1日で二層の作業は十分に可能となります。


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二層目の防水層が完全に硬化したら、最後に防水層を守るための保護材(トップコート)を塗布して完成となります。

トップコートは防水層の表面を守る為に塗布しますが、紫外線などにより経年劣化して性能が年々衰えていくので、定期的に塗布して防水層そのものを守るの事が大切です。

よく防水層にクラック?がある、と相談される事がありますが、だいたいはガラスマットの防水層が割れている訳ではなく、表面のトップコートに縮みやひび割れが発生しているのがほとんどです。


昨今では施工が簡単な1液タイプの水性FRP用トップコートなども販売されているので、お施主様にも簡単にトップコートの塗り直しなどもできるようになりました。

その為、防水層の上に最初の状況のような石材タイルを敷き詰めたりするのは、下地の状態が確認できなくなったりするので良し悪しと思っています💦

また、排水溝であるドレンの定期的な掃除も大切です。


弊社は塗装工事店ではありますが、防水工事の施工例も数多くあり、今まで適切な施工・金額で工事をしてきたと自負しております。

放置してしまって大掛かりな工事にならないよう、お早めのお声がけ待ってます!


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株式会社多田塗装

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